横浜のクラフトビールメーカー「南横浜ビール研究所」の醸造日記

横浜のマイクロブルワリー+ビアパブ「南横浜ビール研究所」の設立経緯から醸造に奮闘する日々を綴ります

第5回「一番搾りペールエール」

一番搾り製法の考え方を取り入れて仕込んだペールエールが完成しました。

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一番搾り的考え方についての記事はこちら

http://beerlabo.hatenablog.jp/entry/2018/02/08/133131


結果から申しますと、非常に良好です。うまい。

レシピ自体は前回と同一、仕込み方法だけを「ポリフェノールの溶出を減らす」ように変えただけなのですが、まるで別のビールになりました。


まずはっきり感じるのが、味がクリアに、ドリンカブルになったことです。

IBUも当然前回と同じなのですが、苦味が軽く、きめ細かくなったのを感じます。

そうか、麦芽由来の渋み成分は思っていた以上に存在していたんだ、と気づかされました。


もちろん、渋みは完全なオフフレーバーというわけではありません。

味わいを構成する重要な要素のひとつであり、まったくなかったら、きっと薄っぺらい味になってしまうでしょう。


しかし、今回「渋みをコントロールする」という視点、そしてその手法を手に入れたことは、ブルワーとしての幅が広がったことを意味します。

ビールによって渋みの度合いを変える、変えられるということは、ビールの設計に新たなパラメータが加わり、設計の自由度が上がったということになるからです。


そうそう、ホップの存在感も増した気がします。

渋みにマスクされていたのかもしれません。


当社のペールエールは、お店に「まずはこの一杯」と書いてある通り、入口商品です。

誰にでも飲みやすく、わかりやすい美味しさを備えたビールをめざしています。

典型的なアメリカンペールエールと比べると、ボディは軽めで苦味も控えめ、ホップのキャラクターは華やかさ重視で設計しています。

そう考えると、渋みを抑えた「一番搾りペールエール」はなかなかふさわしいんじゃないか、と考えています。


ぜひ一度、飲んで感想を聞かせてください(笑)